torusの船 2014年 木、ブロンズ 53×180×45 cm

保田井智之展─torus─

会期会場:
2015年2月4日(水)─ 2月23日(月) 燗屋日本橋店6階美術画廊X
2015年3月11日(水)─ 3月23日(月) 燗屋新宿店10階美術画廊
企画協力=アートシード
torus II
2014年 木、ブロンズ
125×25×18 cm

今回、七福神と船を御題にあげた。
御題と言っても最初のイメージぐらいの気持ちです。あまりテーマから始めて作ることのない私には、縁のないフレーズかも知れないと思いつつであったけれど。
商家に生まれたこともあり、幼い頃から布袋さん、恵比寿さん、大黒さんなどの置物や宝船のカレンダーなどは見慣れたものでした。店の符帳も「タカラフネヲミツケル」だったかと記憶しています。
子供心にも親しみをもって眺めた神の姿でした。いつの頃からか何の変哲もない事物になっていった七福神を改めて見たいと思い始めたのはここ数年です。福禄寿の長い頭が気になったことが起でした。全く象徴的な「福の神」という視点ではありませんでした。
七福神には、餅を引き延ばしたような形が多く、取り分け、福禄寿の頭はひっぱりすぎの態です。なのにどうして形として成立するのだろうか。あの形を彫刻にできないだろうかと思い始めました。しかし立体にするとフィギュアになってしまい、私が考える彫刻とは開きがありました。もしかすると絵だから成立するのかとも考えました。
また脱線しそうな感じがして、一先ず諦めようかと思っていた頃に、「トーラス」という概念を知りました。基本的なものには「メビウスの輪」があります。彫刻家はすべてを三次元の形として考えており、「メビウスの輪」は当然ながら立体だと思っていましたが、概念の世界ではあれは平面らしいのです。「メビウスの輪」が宇宙ぐらいの大きさだとすると、私はその裏側を知らないことになるそうです。
立体だと思っていたものが平面だった。驚きです。
とても小さい現実にもどり、私が作っているものは平面か立体なのかわからなくなってしまいました。これが七福神のくれた福でしょうか。

保田井 智之
折りの月 half moon
2014年
木、ブロンズ、石
30×25×9 cm
torus I
2014年
木、ブロンズ、石
45×10.5×14 cm
HOTAI TOMOYUKI

略歴
    1956
  • 宮崎県に生まれる
  • 1980
  • 武蔵野美術大学彫刻科卒業
  • 1995
  • アイルランド・アートカウンシル、タイロンガスリーセンターにて制作
  • 2002
  • 東北芸術工科大学芸術学部美術科助教授
  • 2004
  • 同大学芸術学部教授
  • 2005
  • 第22回平櫛田中賞受賞
  • 2011
  • 宮崎文化賞受賞

主な個展
    1983
  • ギャラリー版(東京)
    1989
  • ギャラリーオカベ(東京)[‘90、’97]
    1991
  • ワコウ・ワークス・オブ・アート(東京)
    東京銀座アートセンター(東京)
    胡椒亭(東京)
    1992
  • アトリエスズキ(東京)[‘95、’98]
    1995
  • 小財堂画廊(東京)
    1997
  • 現代彫刻センター(東京)[‘02]
    2004
  • スペース・S(東京)[‘11]
    2005
  • 第22回平櫛田中賞受賞記念展、高島屋(東京)、井原市立田中美術館(岡山)
    2008
  • 燗屋美術部創設百年記念 保田井智之展 howdah - hotai、
    燗屋(横浜、東京、大阪、京都、名古屋、新宿)
    2011
  • 保田井智之 長円の夜、東京オペラシティアートギャラリー(東京)

主なグループ展
    1984
  • 新制作協会展(‘88まで)
    1990
  • INSIDE EYE The 1st 1990、アートセンター(東京、京都)
    具具展、燗屋(東京、大阪)[‘93、‘95、‘97、‘99]
    1991
  • 宮崎現代彫刻展(宮崎)
    1992
  • 日向現代彫刻展(宮崎)[’94まで]
    1994
  • メビウスの環─時─ 斉藤典彦 保田井智之 展、
    燗屋日本橋店コンテンポラリーアートスペース(東京)
    1995
  • 美術作家による阪神大震災復興支援『100人展』、
    燗屋(東京、京都、大阪)
    1997
  • 南九州の現代作家達 MESSAGE‘97、都城市立美術館(宮崎)
    1998
  • 村居正之 保田井智之 二人展、燗屋(東京、横浜、 京都、大阪)
    1999
  • メディテーション─真昼の瞑想、栃木県立美術館(栃木)
    具象彫刻の現在、燗屋日本橋店(東京)
    2000
  • 寺田コレクション秀作展 part 2、東京オペラシティアートギャラリー(東京)
    スピリチュアル・ガーデン、東京オペラシティアートギャラリー(東京)
    2001
  • 人のかたち─寺田コレクションより、東京オペラシティアートギャラリー(東京)
    2002
  • 彼方へ ─ 寺田コレクションより、東京オペラシティアートギャラリー(東京)
    2004
  • タイム・オブ・マイ・ライフ─永遠の少年たち、東京オペラシティアートギャラリー(東京)
    現代クレヨン画展、日南町美術館(鳥取)
    2006
  • ブラック&ホワイト、東京オペラシティアートギャラリー(東京)
    2007
  • 第一回井の会、スペース・S(東京)
    2009
  • 第二回井の会、スペース・S(東京)
    2010
  • 宮崎─四つの風、展、宮崎県立美術館(宮崎)
    創造と回帰 現代木彫の潮流、北海道立近代美術館(札幌)
    2011
  • 抱きしめたい 近代日本の木彫展、高岡市美術館(富山)、碧南市藤井達吉現代美術館(愛知)、広島県立美術館(広島)

主なパブリックコレクション
    東京オペラシティ文化財団、北海道立旭川美術館、宮崎県立美術館、平塚市美術館(神奈川)、
    都城市立美術館(宮崎)、日南町美術館(鳥取)、シーガイヤ(宮崎)、鳳来寺山門谷(愛知)



保田井智之展(2011年)